父親について*

父親がきらいだ。
普段は、女の子によくありがちな“おとうさんうざーい”程度なのだけど、父親が機嫌が悪いときが、本当に最悪だ。
なぜだか父親は急に機嫌が悪くなったりする。
そういうとき、夜中でもドアを閉めるときや物を置くときにものすごい大きな音をたてる。
物にあたるというやつだ。
寝ていてもビックリして目が覚めてしまう。
いまも朝方5時ちょっと前だけど、それで目が覚めてしまったわけだ。
母親と父親がけんかしたときなんて、よっぽど腹が立ったのか、普段はテレビの音量は23ぐらいなのに、夜中にいきなり60ぐらいまで上げやがった。
もちろんすごくビックリして、起きてしまった。
その爆音は朝までずっと続いた。
数日間、父が家にいるときは、毎日続いた。
それに対して文句は言えない。
文句を言ったら逆ギレして、それこそなにを仕出かすかわからない。
機嫌が悪いときの父親は、頭がおかしい。
ふつうの男が機嫌が悪いときとは、次元がまったくちがう。
母親も、こんな父親とはもう離婚したがったいるようだ。
わたしとしても離婚してほしい。
母親がこの先の人生、あんな父親とずっといっしょにいてストレスがたまるのは、かわいそうだと思うから。
でも離婚など切り出したら、それこそまた怒り出すだろう。
そして「別れたいなら今すぐ出て行け!!」とでも言って、母親の荷物を全部窓から放り出すかもしれない。
わたしの父親は、そういう信じられないことをしてしまう人間だ。
こんなこともあった。
父親は、トイレの窓は開けておくというこだわりがある。
以前、父親の機嫌が悪いときに、ちょうど家族のだれかが窓を閉めたままにしてしまったとき、父親はなんと、怒り狂ってトイレの窓そのものをはずしてしまった。
信じられない。
数日後、機嫌がよくなった父は、自分で付け直していたけれど。
父親に言いたいことは山ほどある。
でも文句を言えば何をされるかわからないから、言えない。
こうしてわたしたち家族は、父親に言いたいことも言えず、がまんして過ごすしかないのだ。
父親と母親が離婚もできないのなら、願うことはただひとつ。
早く死んでほしい。
そして母の残された人生、もっと心地よく過ごしてほしい。